20230105_東浦町 あいち健康プラザ

いつか無くなってしまうかもしれない健康プラザの建物について。


気温 7.3℃
湿度 50%
風速 北西2.8m/s

pakapakaumaです。

時間があるうちに行っておきました。
健康プラザ自体は東浦町の森岡に建設されていますので、あえて東浦町というくくりにしています。大府市にも森岡という地名がありますので、地名単位では同義とおもいますけども。

こちら健康プラザも、改めて撮りに行くということはありませんでした。
南知多町のナポリタワーと同じく東浦・大府において存在が大きすぎる建物です。
知多半島全域で見ても、お役所が作った建物としては最大かもしれません。




ここを撮りに行こうと思った経緯ですが、2022年の夏頃 花火大会で同公園へ来た時のこと。
花火の打ちあがる高さの目安として、健康プラザの高さを知っておこうと現地で調べておりました。

その際に、検索候補から「健康プラザ 取り壊し」というワードが引っ掛かり少し読んでみましたところ、確かに県の方針として2016年時点の計画がpdfで公開されておりました。
維持管理の予算的な面と、今後コンセプトとしていく内容に必要な設備であるか否かという面に焦点を当てた検討内容でした。

あくまでも検討ということでしたが、結果的に維持にお金のかかる部分から合理化が実施され、2020年9月には「健康科学館、プール、情報ライブラリー、リラクゼーションルーム、クッキングルーム」が営業終了しています。これはほぼスケジュール通りのようです。
あと残されている大きな計画は「アトリウム」部分の屋外化。

本来であれば工事がどこかで始まっているスケジュールのようですが、撮影日にはそのように感じませんでした。

ただ、今までいろいろとこういった変化を見てきた中で、なんとなくそういった匂いを感じるようになってきたところもあり、ほぼ建物の状態が現存のうちに撮っておくこととしました。


この建物の設計は株式会社 安井建築設計事務所、とりまとめは愛知県建築部営繕課
https://www.yasui-archi.co.jp/works/detail/n1997016/index.html

中央部分をアーチ状のガラス天井で繋いだアトリウムと、健康科学館棟、健康宿泊館棟、健康情報館棟、健康開発館棟で構成された地上11階 地下1階の建物です。





同じ町内ということもあり、宿泊館に泊まるということも未だやったことがありません。
その昔、ここに来た時には中央部分の水路に水が流れており、亜熱帯植物が植えられていた記憶がありました。現在はそれもお金がかかる判断となったのか、いつしか植物は撤去されており水も流れていませんでした。

吹き抜けが「何かに利用するフロア」としての役割を果たしていないのは確かかもしれません。エスカレーターも停止しています。この短い区間をスロープでなく、あえてエスカレーターで繋いだというのもそういう時代であったことがうかがえます。





このアトリウム部分のアーチが撤去され屋外化した時には、接続する解放部分は壁かドアとなるのでしょうか。けっこう埋めないといけないように感じます。






こちらは電話ボックス。というより個室状になっており建物の一部となっています。
5部屋あり、車いす等で入ったとしても十分なスペースがあるように見えました。
現在は残念ながら利用者の減少によりNTTからの申し出により撤去の運びとなったようです。
テレワークスペースに…っていうのも長続きしないですかね…。



1997年竣工ということで、その当時の国内における携帯電話端末の普及率3割という数字を見るに必要な設備であったというのは分かります。そこから2000年以降急速に所持率が伸び現在ではスマートフォンを持っていない人が居ないほどに。
そして、テレホンカードというものを知らない人々も同時に増えていきます。
自分自身も、公衆電話をここ数年というか高校生以降10年以上使った覚えがありません。

最近では公衆電話の使い方というのを改めて発信する動きも見られています。使っていた世代からすると驚きではありますけど、そうなりますよねぇ。

奥の休憩スペースはなんとなく分煙の為の喫煙所であったのだろうと推測。現在は公共施設内の全面禁煙に伴いこの施設含め公園全体で禁煙となっております。肩身が狭いおもいでございます笑

あとになって写真で気づいたのですが、床面の視覚障がい者誘導用ブロックがここまで親切に施工されているのも特徴的だと感じました。


こちらは廃止箇所の健康科学館入口。
この階でチケットを買い、下の階へ降ります。



総来場者は158万人ほどであったようです。
近隣の小学校の社会見学では定番だったのではないかなぁと思います。
中でも個人的に好きだったところは出口付近にあったモデルルームみたいな場所。
二階建て一般住宅を模した展示物で、住宅内の快適な環境についての展示だったと思いますがほぼかくれんぼフロアと化していた記憶があります笑

そして、今になって思い出すとなかなかな展示物ですが「食べ物の流れ」というテーマで自分が食べ物になって展示物の中を通り、最終的には排泄物としてトンネルから出てくるというのもありました。今ではそういうものはVRコンテンツのほうが向いてるかもですしね。

展示物の老朽更新や時代に合わせた展示内容にする場合の費用面と相談した結果、廃止の方向になったようです。同じくして温水プールも。
水が抜かれた状態のプールですが、屋内だけにある程度きれいなのも不思議な感じです。




なんだか病院のフロアといっても通じそうな風景です。
適度に明かりが差し込む感じが落ち着いていて好きです。




夕方のアトリウム内はアーチの骨組みが綺麗に影を作ります。
これだけでも巨大な美術を見ているような気分でした。
まるで展示物の無い美術館を見ているような、そんな感覚です。



興味のない人からすると多分、見どころの無い寂しい場所という感想だけで終わってしまうかもしれません。

ただ、僕個人的には このような空間をどこかで見たことがあります。
遥か昔、インターネットで拾ってきたCGだったかもしれません。
2018年ごろから海外で流行りだしたインターネット・ミームである「Liminal Space」に近い感覚すらあります。ただひたすら大きくて、どことなく静かで、不思議な空間です。
建築物は割と好きなので、自分としては居心地のいい場所なんですがね。


ところで宿泊館の11階部分は展望フロアとどこかで見たように思いますけど、そこは入れる場所なんでしょうか…。内陸部といいますか、北部四市町の中でもフロア標高は一番高い場所になるかと思います。そこから写真の一枚でも撮れたらなぁなんて。ダメですかね。





まぁ、あとはもりの湯入りに行ってみるとか、たまには展望のいい部屋で一泊してみるとか やってみてもいいかもしれませんね。できるだけ高層階で予約取れればいいだけの話ですから。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。