20190113_タイムラプスの練習。HolyGrail撮影について①

pakapakaumaです。

これから本格的にタイムラプス動画の撮影をしていこうということで
やったことの無い技法を習得すべく練習をしました。
これを身につけておくと、大抵の場所で通用するネタになるので…というところもあります。

タイムラプス自体はけっこう前からお遊び程度にちょこちょこ撮っていましたが、それは露出条件の安定した環境でのことです。

今回は露出条件が大きく変化する時間の遷移。
夕方→日没後トワイライトタイム→星空(夜景)のようなものをやろうと思い
特にしっかり勉強したわけでもなくいきなり実践です。(笑)
変化としては空のグラデーションがきれいで、おいしい時間帯です。

もっとパーツごとに練習したほうがいいのはあるのですが、これも癖があるので
当たって砕けるのみでございます。

 

まずBLOG記事としては手法について調べたこと、独学で推測したことなど書いておきます。次の記事で実際に撮影に行ったときのグダグダ素材を例に改善点の答え合わせをしていきたいと思います。(急ぐ方は備忘録なんでちゃんとチュートリアルみたほうが早いと思います)

それと、解釈に至っていない部分やすっぽ抜けている部分があると思いますがはじめにご承知おきください。
文章メインの記事になりますので長ったらしいです。箇条書きで書くと端折ることになる気がしたので。読み物としてもどうかと思う部分多々ありますが、興味ありましたらそのままお進みください。

 

 

 

// HolyGrail撮影について //

和訳は聖杯、至高の目標という意味のようです。
キリストが最後の晩餐で使用した酒器が語源というですが
2つ目の意味の至高の目標という意味が強い技法です。
またの名、俗称では「Day to Night」といわれています。


従来、露出条件が激しく変遷するようなタイムラプスは不可能といわれてきた流れがありますが 特徴的な撮影方法とソフトウェアの補正により実現する技法です。
おそらく撮影段階でどれだけ頑張っても露出変化させたポイントで明暗のちらつきのようなものが発生してしまうというのが不可能だった理由でしょう。

ソフトウェアはAdobeのLightroomが必須です。
そして、LRTimelapseというソフトウェアが鍵となります。
Lightroomに関しては有料ですが、LRTimelapseは制限つきの無料版がありますので ためしてみたい方は使用してみるのもいいと思います。
ライセンス購入はpaypal決済で通常版99ユーロ、pro版249ユーロです。

ソフトの使用方法はたくさん動画が出回っていますので、ここでは撮影段階のことについて。

// 撮影方法 //

タイムラプス撮影では、環境光などの条件が一定の場合は考える必要が少なく
通常の手法を使用すればよいです。
一度設定を決め打てばそのまま撮りっぱなしになります。

しかし、これが日中→星空→日中のように設定の幅が大きすぎる場合には決め打ちの設定では不可となります。
もっとも、カメラの優先モードやオート機能を使えばある程度追ってくれるのでしょうけど、これに関しては試してないので不明です。

 

※絞り優先モードは朝焼け→日の出のパターンで使用したことがあります。
シャッタースピードのみ自動で測光し露出調整してくれます。
ある程度追ってくれている印象で、どうしても失敗したくない場合は有効な手段ですが、星空からの遷移は難しいかもしれません。
苦手な箇所が存在するようです。オートなので意図通りにはなりません。

 

もちろんDay to Nightは日中から夜間ですが、逆版もいけます。


Day to Nightでは明るい日中から暗い夜間へ環境光が変化します。
すると、当然にSSやISOまたは絞り量を変化させて撮影することになります。

(例)

●日中(晴れ)
ISO:125
SS:1/400
F3.2

●夕方
ISO:200
SS:1/20
F2.5

●夜間(星空)
ISO:1600
SS:25sec
F2.5

など…あくまでも一例です。
好みの問題や、現地の状況もありますので。

このように時間帯で適当な設定というのが存在しますが、問題になるのは2枚目にあるようなつなぎ目にあたる時間帯です。
薄明、夕焼け、朝焼けにあたる時間帯。

Day to Nightでは夕焼けになりますが、空にきれいなグラデーションを出そうと思うと、多少アンダーの露出となることが多いです。
夕暮れはどんどん暗くなっていきますので、その状態から高いISO、遅いシャッターへと変化させていきます。
ちょうどつなぎ目のこの時間帯は幾度か設定の変更をかけます。
そのため、通常のタイムラプスであれば撮影をとめるということはしないのですが、この場合は設定変更が必要なタイミングで一度タイムラプス撮影を終了させます。


①タイムラプス/カメラの設定値
・①-1まずはカメラの設定値を決めます。
自分の意図する絞り量を先に決めておき、それは以降動かさない前提とします。
そのほうがやりやすいと思いますので。
それと上限のISO感度とシャッタースピードを決めておきます。

・①-2次にインターバル(撮影間隔)を決めます。
これは通常のタイムラプス撮影時と変わりありません。
使用する一番遅いシャッタースピードをベースに決めますので、星空まで遷移させたい場合は10秒とか15秒とかに+1~2秒のインターバル設定です。
ISOをどこまで上げてもよいか、上げなければならないかでSSに関しては変わるので、早回し感も含め 人により若干インターバルの設定は変わります。

撮影枚数はお好みで。その他タイムラプスの基礎的なところは別の方の説明を読んでください。ここでは触れません。

②撮影を開始します。
機種によりますが、タイマーつきのコントローラー、レリーズ、本体のインターバル撮影(タイムラプス)機能などなどとにかく撮影開始。

③カメラの露出計をみます。変化があれば一度撮影を終了させます。
どれだけのステップで目盛を刻んでいるのかで読み取り方は変わりますが、だいたい0.5EVや0.3EVごとの表示になると思われます。
この目盛が最初のカットからマイナス側へ2個動いたら(暗くなったら)1個の変化になるようにプラス側へSSとISOで戻してあげます。

ちなみに、もうちょっと変化の間を持たせたい場合は2個動く直前のカットの露光量と同じになるように補正して同じ露出のカットを量産し繋いであげます。

※夕方から夜の場合:SSを遅くしてある程度補ってからからISOを上げる。
※夜から朝の場合:ISOを低くしてからSSを早くする
基本的にはこのように提唱されていますが、状況によってタイミングは変動します。

④変更後、すぐに撮影を再開します。

③と④を時系列にするとこのようになります。
(例)下に行くほど時間経過し、周りは暗くなっていく想定。
//============//
↓ (撮影開始)
ISO:125
SS:1/400
F3.2

//============//
カット1    ±0EV
カット2    ±0EV
カット3    -0.5EV
//============//
↓(露出確認③)
//============//
変化のあったカット4 -1EV

↓(-1EVの変化量があったので撮影ストップ)

補正操作を行う -0.5EV
SSで微補正
//============//
↓(撮影再開④)
//============//
補正操作後のカット5 -0.5EV
補正操作後のカット6 -0.5EV
補正操作後のカット7 -1.0EV
//============//
↓(露出確認③)
//============//
変化のあったカット8 -1.5EV

↓(-1EVの変化量があったので撮影ストップ)

補正操作後のカット -1.0EV
ISOを高くし、SSで微補正。
//============//
↓(撮影再開④)
//============//

以下許す限り継続。
SSだけで追える場合は数回頑張って、適当にISOをいじります。
変化の激しい時間ではインターバル時間にもよりますが、3~4枚で露出変化します。日があと数秒で沈むなどのタイミングでは一定にしておいたほうがいいです。

⑤空に色がほとんど残っていないくらいになったら
周囲が暗くなりきる手前まで露出をアンダーに振りました。
そのタイミングで露出がガッツリマイナスにいる時間を少し作ります。
具体的にはたとえば-3.0EVとかで一定にして120枚とか撮ります。
30FPSですと、だいたい4秒くらいの暗い部分を作れます。
次の露出までのつなぎ時間ですが、これが無いといきなり画面がどんどん明るくなっていきます。無くても大丈夫ですが、視覚的に緩やかな変化となると思われます。

⑥夜景の露出への変化
夜景に繋げることになると、確かに周囲は暗いので露出計でみるとアンダーになることが多いですが、視覚的には夜といえども明るめの画像がほしいところです。

そのため、ガッツリアンダーから逆に徐々に持ち上げていきます。
自分の好みの露出感となるまで。
日没直後の段階では高くてもISO 800-1250(1600)くらいだと思います。
そこから必要な明るさまで持ち上げるのですが、ここで最初に決めたインターバル時間を超えないようなSSの範囲でしかSSによる補正ができないことに注意します。

暗くしていくのは難しくないのですが、明るくしていくのはこのあたりに絡むので注意。(インターバル15秒の場合はSS14sec露出までいけるはずです。これを超えてSS20secとかはできません)
ISOで明るくし、SSでちょっと明るく、またISOで…と繰り返し、SSが最初に決めたインターバル秒数に届く直前で終わりです。

ここまできたら、、夜間は特別なことが無い限り露出が一定で大丈夫なはずですので、手放しで最終設定のまま撮影になります。
お疲れ様でした。


夜から朝の場合は、クロスするアンダー露出の時間に気をつけて
①(夜/明るい)

②(薄明/段階的に暗く)

③(薄明色付き始め/暗い60-120枚)

④(段階的に明るく)

⑤(日の出/明るい)
にします。

// ソフトウェア処理の段階 //

その後、PCに取り込み編集します。
撮影画像の露出変化を数値化し、自動でグラフ化してくれます。
すると、変化の顕著な部分、変化の無い部分が見えてきます。

良好なサンプルが無いので机上の空論で理想的と考える設定が以下手書きグラフ。ほかの方のやつをみていてもだいたいこんな感じなんじゃないかなと思います。これは撮影後に考えてみた結果のやつなので、まだ試してません。
ここまでいろいろ書いてきたわりに説得力に欠けるという。

ソフト側では、この変化が顕著な部分に対して補正がかかります。
おそらく変化しているギザギザの部分の中間値をとり、近似値で露出を当て込んでいるものと思われます。
また、さまざまな要因で発生する画面のちらつき(フリッカー)に対しても一瞬の明暗を読み取り平均化するような処理が行われているのではないかと。(憶測です)

次の記事に続く。20190113_タイムラプスの練習。HolyGrail撮影について②

 

“20190113_タイムラプスの練習。HolyGrail撮影について①” への2件の返信

  1. 年末に橋杭岩でご一緒させてもらった坂元です。
    1月忙しくてなかなかコメント書き込めずで
    2月になってしまいました。

    年末の動画vimeoにアップしてるんで、良かったら観て頂ければ!
    https://vimeo.com/309093065
    ユーザー名は、
    TAKAYUKI SAKAMOTOです。

    1. 坂元さん
      お久しぶりです、あの日は楽しくお話しさせていただきました。
      こちらもバタバタしていてコメント気付けず申し訳ありません…

      観させていただきました
      vimeoユーザーでしたか!編集に時間をかけられてますね、僕も見習わなくては。

      またお会いできる日を期待しています。

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