思い出し、やっと見に行けた日のこと。
気温 8.6℃→6.6℃
湿度 50%→62%
風速 北西6.9m/s→北北西4.6m/s
pakapakaumaです。
1月の三箇日のことです。
年末年始の撮影と動画編集を終え一息つきたいところでしたが、そういえば何かを忘れているような気が…と頑張って思い出してみました。
正月の3日目までに正月行事として記録しておきたかったこと、記録しておくべきこと。
なんだっけと思いながら1月2日は眠気に負けて寝休日。
しぶんぎ座流星群のニュースを見かけて1月4日の早朝にピークがやってくると知り、それもいいなぁと撮影地点を選定している時に南知多町の篠島が目に留まり、…あぁそういえば。
「オジンジキサマのオワタリ」聞いたことありますでしょうか。
篠島の正月行事です。毎年1月3日~1月4日に行われます。先にこの内容でコラムを書いている方がみえるので、僕があたらめてブログに書くまでもないものですが、「既存の動画」には表現しきれていない部分がまだあると思われた為作ってみようと向かってみました。(だいぶ前からこれはやってみたかったのもあります。)
1月3日のお昼過ぎ、昼夜逆転していた身体を起こし師崎港へ。
15:05分平面駐車場入庫しました。やはりこの時間に向かっては満車ギリギリという感じです。
当初、師崎港からか聖崎公園あたりから篠島を狙って、島の外からの撮影だけで済まそうとも考えていました。ただそれだけだと内容的に薄くなりそうな気もしたので、到着後に高速船の発着を調べてみましたところ一番撮りたいタイミングの時間までに約3本の余裕がありました。
師崎港に戻っていたい時間は18:00よりも前。
冬季の時刻表では篠島17:30発→日間賀島西港経由で師崎17:50着が予定している時刻の最終です。ちょっと戻ってからの余裕が足りません。
その一本前が篠島16:55発→日間賀島東港経由で師崎17:15着。
これが安全です。そのかわりだいたい1時間程度しか滞在できませんが。
戻ってきてからの準備を先に済ませ、島での撮影セットは一番軽量なものにしました。
Libec TH-M KITとレンズ2本。(Panasonic LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/2.8-4.0 Olympus M.ZUIKO DIGITAL 75-300mm/4.8-6.7)タクティカルウエストバッグに入れ高速船へ。
15:45 師崎港発。
先に往復切符を購入。大人1360円。
降りた先で手渡します。
15:55篠島着
篠島はかれこれ4年半ぶりです。ゆっくり観光したいのは山々なのですが、ここから1時間切り替えて足早に撮影のみに専念します。4年前のおぼろげな記憶を頼りに夕方の篠島、行事の雰囲気、薄暗くなってきてからの街灯や店舗の明かりを撮ります。
高速船ではデッキで撮影していたので、水しぶきがかかっていたようです。
急いでいる時ほど確認がおろそかになるもので、逆光での撮影時モロに汚れが出てしまいました。これからの戒めとして…。
この日が正月三箇日であるというのは説明を加えれば済む話であるのですけど、そういうのも動画内に入れてしまいたいところはあります。僕はあまり動画の中に文字を埋め込みたくない派なので、なるだけ撮れるものを撮っておくようにしています。(文字が画面の多くを占めないといけない動画はカットの撮り方が説明するに不十分であるという理屈。あくまでも自分の動画における個人的な見解です。)
見れば見るほどに記憶の中の通りの篠島です。
自販機のメーカーには地域的な傾向があるのでしょうか。この組み合わせは知多半島内においてとても既視感があります。
篠島郵便局から神明社を経由し、篠島海水浴場へ。
ここまで徒歩約20分。折り返して戻ると予定している帰路の高速船時刻では限界です。
一般的には目には見えない存在である「神」という存在。
18時頃からはそんな存在が島内を移動されるといいます。
その間、島中の電気が一斉に消灯されます。屋内でじっとしていなければならないようです。ただし港の安全に関するランプは例外のようには見えました。
「その様子を島内で目にすると命にかかわるほどに大変なことになる」という言い伝えがあり、2023年現在でもその文化は守られており島内全体が協力されているようです。
撮影中、近隣の方の会話が聞こえてきました。
「通り道だから、見えないように一応雨戸を閉めておく」。
島の外の人からしたらなんのこっちゃという話かもしれませんねぇ。
この時代において、そこまでに行動・思考を統一できるだけの絶対的な力というのは珍しい話です。神罰が下るという表現はもしかすると何かの比喩的な表現なのかもしれないなぁと、いろいろ考えさせられます。またこれ以上は、よそ者である自分には触れてはならない事情もありましょう。
どちらにせよ、そのような風習があるからこそ この行事が成り立っているわけです。
もうあと1時間ほどで消灯の時間です。ほとんど外出している人は居ません。
風速は6m。風が強く吹いています。風を目には見えない存在の表現の為に使った作品は多く見られます。ある意味動画の内容としては風に助けられたところがありますが、この時はそんな手法の話抜きに、何かを感じずにはいられない空気感が確かにあったように思います。
16:50 高速船乗り場へ戻ってきました。
冬といえど、厚着で移動するのは汗ばみます。
17:15師崎港着。一服し消灯撮影の用意を始めます。
こちらでの撮影では三脚をマンフロット055CB+TH-Xに切り替え。
月明かりがあった日とはいえ、知多湾はかなり暗いです。
ISO8000まで上げてみましたが、どうにも篠島は真っ黒にしか見えず対岸の渥美半島と同化してしまいます。仕方ないのでシャッタースピードを1/8まで落として撮影。
移動する船とかが入るとだいぶ違和感になってしまうシャッタースピードですが、消灯18:00~復旧18:20頃までなんとか持ちこたえました。
消灯中は観光客も含め外出が不可能な時間であることから、島の中での撮影は不可能なので今回は師崎から撮りました。
こちら知多半島からは注意を払っていればその様子はどこからでも見えてしまいます。そして、同じ南知多町であっても師崎側は電気が消灯されず、外出も普通にしています。
つまり知多半島側では島内ルールが適用されてはいないとなります。
それにも関わらず、毎年行われている行事であるのに知多半島側からの記録が残らない約30分の事実がそこにある。僕が思っていた今までの動画では表現されていない部分というのはこの部分です。
けっこう長い間この題材を撮る為にルールを破らない方法を考えてきました。
今年、ようやく明示されているルールを破らず記録するということを行えたように思います。
もちろんこのやり方についてもご意見あることでしょうけども…。
18:55出庫 400円でした。
撮影全行程3時間50分のそんな日のことでした。